留学先の中国でジュンホ(イ・ジュンギ)はシャオヨウ(チョウ・ドンユイ)に一目惚れ。恋人同士になった2人は、やがて結婚の約束も交わす。そんな幸せが永遠に続くと思っていた矢先、ジュンホは突然「別れよう」と言い残し、イタリアへと旅立ってしまう。
3ヶ月後、彼が事故死したという悲報が届き、嘆き悲しむシャオヨウ。その姿を陰ながら見つめる優しい眼差しがあった─。幸せの絶頂にいたはずなのに、なぜ彼は恋人のもとを去ったのか?そこにはあまりにも切ない“秘密”が隠されていた[
花散る宮廷の女たち ~愛と裏切りの生涯~ DVD]…。

シチリアというと、私の貧弱な頭の中ではレモンしか浮かびませんでした。レモンは忘れてください。レモンなんて考えている暇のない映画です。映画は、シャオヨウの生活、回想、ジュンホの行動と、時間や場所が切り替わるので、時間軸を自分の中で整理しないと話が繋がらなくてちょっと大変です。
自分の記憶力と想像力を目一杯駆使して観て来たという感じです。一番それを感じたのはジュンホがクマの着ぐるみを着てシャオヨウに会うシーン。基本的にシャオヨウの時系列で話が進むのだけれど、しばらく経ってから同じシーンが流れてそれをジュンホの方から見る、という形をとるので何だかややこしくなるのです[
芸汐伝(蕓汐伝) DVD]。

でも、このクマの着ぐるみのシーンが一番泣けました。着ぐるみの頭を外して、顔を出したジュンホの切なげな表情。自分の身を隠しているのに、クマのぬいぐるみの中に入ってでもそばにいたいと思うピュアな恋愛感情。こんなにそばにいるのに、気づいてもらえないもどかしさ。
それらがすべて頭を外した顔に出ていて、こちらも胸を締め付けられました。お互いが交換日記のように壁に描く伝言。シャオヨウには足長おじさんみたいな存在でしたが、私はジュンホと確信していました。ごめんなさい、違いました事務所の所長でしたが、そこにもまたジュンホの意思があったのだと思います。シャオヨウに事故死と見せかけて、実は不知の病で亡くなることを隠し続けるジュンホの感情にも涙が溢れます[
中国ドラマ 恋愛先生 DVD]。

シャオヨウが1年後にシチリアを訪れて、彼の部屋で自分が捨てたはずの写真が飾ってあるのを見て・・。彼の録音した言葉を聞いて、はっきりと彼の気持ちを知ることができたとき、もう涙が止まりませんでした。エンディングにシチリアの風景とイ・ジュンギの歌・・・「For a while」が流れて・・[
中国ドラマ 長安十二時辰]。
ますます泣いてしまいました。なかなか解釈が難しい部分もある映画ですが、イ・ジュンギファンなら観てください。彼の愛情をシャオヨウになったつもりで受け止められる映画です。